JOURNAL⓷ -日本の古い服-2025.2.5

Posted by 工藤雄太 on

こんにちは。

NORA工藤です。

 

今回は僕自身が服を作る上で影響を受けた日本の古い服を紹介します。

こちらのパンツは、ポップアップの際に穿いてることも多いので実物を見たことがある人もいるかと思いますが、日本の古い麻布で作られたパンツです。

 

アトリエを構える岩手県の田舎の農家の屋根裏にあった長持の中にあったとのこと。

僕のだいたいの予想でしかありませんが、布自体は明治〜新しく見ても大正時代の太い大麻糸(ゴリ麻)の布で、仕立ては昭和初期〜なのかなと思います。

ホームメイドなのかもしくはその村に仕立屋さんなるものがあったのか…どのようにこのパンツが作られたのかわかりませんが、内側から何かにじみ出ているような引き付けられるものがあります。

僕の前職は小さい町工場の紳士のコートなどを縫う縫製工場で働ていたのですが、この服からは現代の服とはちがうような、どこか縫った人間の個性のようなものが出ているように感じます。最初から最後まで一人で完結しているからこそでる表情もあるのかなと・・・

当時縫われた洋服や着物を解いてつくりを見たりするのですが、上手いんですよね。服になるまでの工程が古い布に合っている感じがします。

上手いけど、どこか下手。

生地の扱いにも慣れていて、やっていることは上手いけど、どこかゆるさを感じる、抜け感があるような下手があるといった感じでしょうか。下手が最初にくるよりも、上手いが大前提の方が僕的にはしっくりくるように思います。

 

日本の田舎のどこの誰が作ったのかもわからないものではありますが、何かを教えられるような影響を受けた1着でした。

これを再現というよりは、過去、現代、どちらの良さもこれからも探究していって、良い塩梅の、自分が縫ったからこそ出てくる何かがにじみでているようなもの作りをできるようにこれからも精進していきます。

そして早い物で今週末の2月8日(土)より3日間、2年ぶりの仙台のポップアップです。

開催場所は、フランスアンティーク家具・雑貨を取り扱う「HYGGE」さんです。

 

そこから3月末には京都のセレクトショップ「乙景」さんと続きます。

 

お時間合う方は古い布の魅力を感じにお気軽にお越しください。

 

では引き続き製作、準備等々頑張っていきます。

 

NORA

工藤

 

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